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最低賃金が上がると月給も上がる?同じ23万円でも内訳で違う理由

最低賃金が上がると月給も上がる?同じ23万円でも内訳で違う理由

情報確認日:2026年10月21日

「最低賃金が上がる」と聞いても、月給で働いていると、アルバイトの時給の話だと思いがちです。ところが、月給23万円でも、給与の内訳によっては新しい最低賃金を下回る例があります。

最低賃金は月給制にも適用されます。総支給額が高そうに見えても、固定残業代などを除いた対象賃金で比べる必要があります。一方、すでに最低賃金以上なら、改定率と同じだけ全員の月給が自動で上がるわけではありません。

東京は10月1日から1,280円。月給にも関係する

大田区の2026年10月1日号などが案内する東京都最低賃金は、時間額1,280円です。これは東京都の金額で、全国共通ではありません。地域別最低賃金は原則として勤務先の所在地で見ます。

月給の場合も、対象になる月額賃金を1か月平均の所定労働時間で時間額に換算して比べます。手取りではなく、税金や社会保険料が引かれる前の賃金が出発点です。ただし、支給額のすべてを入れてよいわけではありません。

同じ23万円でも、AさんとBさんで結果が違う

東京都内の勤務先で、1か月平均の所定労働時間が160時間、下記以外の手当はないと仮定します。個別の減額特例などはない例です。

月給の内訳

Aさん

Bさん

基本給

230,000円

200,000円

固定残業代

なし

30,000円

総支給額

230,000円

230,000円

最低賃金と比べる時間額

1,437.5円

1,250円

1,280円との比較

上回る

30円下回る

Bさんは総支給額が23万円でも、残業の対価である3万円を最低賃金の比較に入れないため、下回る計算になります。この160時間の例では、対象月額賃金として204,800円が必要で、20万円との差は4,800円です。

これは条件を固定した比較例です。必要な賃金や不足額は、契約上の時間、対象になる手当、適用される最低賃金で変わります。表だけで読者の勤務先の違法性や請求額を確定するものではありません。

交通費・賞与を足して「足りている」とは考えない

厚生労働省の対象賃金の説明では、残業代や賞与などは比較から除きます。代表的な扱いは次のとおりです。

賃金の項目

最低賃金との比較

基本給

対象になる

通常の職務手当・役職手当など

対象となるものがある。名称だけでなく実態で確認

残業代・固定残業代として明確な部分

残業の対価は除外

賞与、通勤手当、家族手当、精皆勤手当

除外

時間も、残業した月の実労働時間をそのまま使うわけではありません。月ごとに所定時間が違う場合は、年間の所定労働時間から月平均を出す扱いになります。給与明細の一部だけでは分からないケースがある理由です。

最低賃金が上がったら、会社は全員を昇給させる?

改定後の最低賃金を下回る賃金は、対応が必要です。しかしAさんのようにすでに上回る人まで、一律に同じ金額・同じ率で昇給する義務が生じるわけではありません。会社の昇給規程や労働契約で別に決まっている場合は、その条件も関係します。

また、特定の産業には地域別より高い最低賃金が適用される場合があります。試用期間中、パート、正社員などの名前だけで対象外になるものでもありません。

担当者には、計算結果ではなく「比較の前提」を聞く

月給の内訳が気になったら、「最低賃金との比較に使っている対象賃金と、1か月平均の所定労働時間を教えてください」と給与担当者へ聞いてください。自分で残業時間を集計するより、会社が何を基準に確認しているかをはっきりさせられます。

固定残業代の表示そのものについては、固定残業代の5つの確認項目で整理しています。暮らし診断の手取り試算は控除後の金額の目安を見るもので、個別の最低賃金違反を判定するものではありません。

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