賃貸初期費用が高すぎる?新社会人が契約前に確認したい7項目
初めて届いた賃貸の見積書。
敷金、礼金、保証料、消毒代、サポート費用……。知らない項目が並び、合計が30万円や40万円になっていると、「このまま払って大丈夫なの?」と不安になるかもしれません。
ただし、合計金額が高いだけで、不当な請求とは判断できません。家賃、地域、入居日、契約条件によって必要な金額は変わるからです。
まず行うのは、強く値下げを求めることではありません。
何の費用か分からない項目をなくし、必須・任意・確認が必要な費用に分けることです。
この記事では、新卒・新社会人が契約前に確認したい7項目を、見積もり例とともに解説します。
まずは見積書を3つに分ける
見積書を受け取ったら、各項目を次の3種類に分けます。
- 契約上必要な費用
- 希望によって外せる可能性がある費用
- 説明を受けないと判断できない費用
大切なのは、項目名だけを見て「払わなくていい」と決めないことです。同じ名称でも、物件や契約によって扱いが異なる場合があります。
反対に、「見積書に書いてあるから必ず必要」と思い込む必要もありません。
家賃7万円の見積もり例
以下は説明のために作成した架空の例です。
項目 | 金額 |
|---|---|
敷金 | 70,000円 |
礼金 | 70,000円 |
当月の日割り家賃 | 35,000円 |
翌月分家賃 | 70,000円 |
仲介手数料 | 77,000円 |
保証会社の初回保証料 | 35,000円 |
火災保険料 | 18,000円 |
鍵交換費用 | 22,000円 |
室内消毒代 | 22,000円 |
安心サポート | 16,500円 |
合計 | 435,500円 |
43万円を超えていますが、これだけでは高すぎるとも、適正とも断定できません。
暮らし診断では、次の順番で確認します。
- 二重に計上されていないか
- 金額や条件にルールがある項目か
- 必須なのか、選択できるのか
- 今回だけでなく、更新時や退去時にも支払いがあるか
順番に見ていきましょう。
1.敷金と礼金は、金額だけでなく役割を確認する
敷金は、未払い家賃や退去時の修繕費などに備えて貸主へ預けるお金です。契約終了後、必要な費用を差し引いて返還される場合があります。
礼金は貸主へ支払うもので、通常は返還されません。
「敷金ゼロ」なら必ず得とは限りません。退去時のクリーニング費用や修繕費が別に定められている可能性があるためです。
確認する場所は、見積書だけではありません。
- 賃貸借契約書
- 重要事項説明書
- 退去時費用に関する特約
この3つを確認します。
2.日割り家賃と翌月分家賃を見分ける
入居日が月の途中なら、入居月の日割り家賃と翌月分の家賃をまとめて請求されることがあります。
見積もり例では、日割り家賃35,000円と翌月分家賃70,000円が計上されています。この場合、金額が大きく見えても、直ちに二重請求とは限りません。
次の点を確認してください。
- 日割り計算の開始日
- 何日分として計算されているか
- 翌月分まで前払いする契約か
- 共益費や管理費も日割りされるか
「何月何日から何月何日までの費用ですか」と聞くと確認しやすくなります。
3.仲介手数料は「家賃1か月分だから普通」で終わらせない
国土交通省によると、賃貸借取引で不動産会社が貸主と借主の双方から受け取れる仲介手数料の合計額は、原則として家賃1か月分の1.1倍以内です。
居住用建物では、一方から受け取れる金額は原則として家賃1か月分の0.55倍以内ですが、仲介を依頼する際にその一方の承諾を得ている場合は例外があります。
家賃7万円の場合、見積もり例の77,000円は、家賃1か月分に消費税を加えた金額です。
ここで、いきなり「違法ではないですか」と詰め寄る必要はありません。まず、次のように確認します。
仲介手数料の金額と、借主が負担する条件について説明をお願いします。
仲介手数料は上限額がそのまま自動的に請求される、という意味ではありません。契約前に金額と条件の説明を受け、納得してから進めることが大切です。
4.保証会社は初回費用だけで判断しない
保証会社を利用する契約では、入居時の「初回保証料」以外に、次の費用が発生する場合があります。
- 年ごとの更新保証料
- 毎月の保証料
- 口座振替手数料
見積もり例では初回保証料が35,000円ですが、これだけを見て高い・安いとは判断できません。
「入居後に毎月または毎年かかる費用はありますか」と確認してください。
初期費用を少なく見せる代わりに、毎月の負担が設定されているケースもあります。初回金額と継続費用を分けて見るのがポイントです。
5.火災保険は保険料だけでなく補償内容を見る
賃貸契約で火災保険への加入が条件になっていることがあります。
確認したいのは次の3点です。
- 補償期間
- 家財補償の金額
- 借家人賠償責任や個人賠償責任の補償内容
保険会社や商品を選べるかどうかは、管理会社や貸主へ確認します。自分で加入できる場合でも、必要な補償条件を満たしていなければ認められない可能性があります。
安さだけで選ばず、指定条件と補償内容を照合してください。
6.消毒代や安心サポートは「何のサービスか」を聞く
室内消毒代、抗菌施工費、安心サポート、24時間サポートなどは、名称だけでは内容や契約上の扱いを判断できません。
見積もり例では、室内消毒代と安心サポートの合計が38,500円です。ここが選択可能なら、初期費用を抑えられる可能性があります。
確認するときは、次の3点を聞きます。
- 契約上、加入や施工が必須か
- 外した場合に入居できなくなるか
- 具体的にどのようなサービスを受けられるか
必要なサービスなら残して構いません。内容を理解しないまま契約することが問題です。
7.退去時費用と短期解約違約金を先に確認する
初期費用が安くても、退去時の負担が大きければ、結果的に支出が増えることがあります。
契約前に確認したいのは、次のような記載です。
- 退去時クリーニング費用
- エアコンクリーニング費用
- 原状回復に関する特約
- 1年未満などで退去した場合の違約金
- 解約予告の期限
国土交通省は、原状回復の一般的な考え方をガイドラインとして公表しています。一方、実際の契約では特約が設けられている場合があるため、署名前に内容を確認する必要があります。
「退去するときに必ず発生する金額はありますか」と質問しておくと、見落としを減らせます。
不動産会社への確認文は、これで十分
分からない項目があっても、専門用語を使う必要はありません。
見積書を確認しています。
「室内消毒代」と「安心サポート」は契約上必須でしょうか。
外せる項目があれば教えてください。
また、入居後の更新費用と退去時に必ず発生する費用についても確認したいです。
電話だけでなく、メールやメッセージで回答を残してもらうと、あとから確認しやすくなります。
「高いか」より「説明できるか」で判断する
初期費用が高いことと、不適切な請求であることは同じではありません。
反対に、相場内の金額でも、内容を説明してもらえないまま契約するのは避けたいところです。
暮らし診断では、次の状態になってから契約へ進むことをおすすめします。
- すべての項目について用途が分かる
- 必須か任意かを確認できている
- 継続費用と退去時費用を把握している
- 不明点への回答が記録として残っている
見積書の項目を整理したい場合は、個人情報を入力せずに使える「賃貸初期費用チェック」を利用できます。
※本記事は一般的な確認方法を紹介するもので、個別の契約に対する法律判断ではありません。契約条件は物件ごとに異なります。判断に迷う場合は、消費生活センターや法律の専門家などに相談してください。