労働条件通知書はいつもらう?内定後に確認したい8項目
内定をもらったあと、「給与や休日について、どの書類を見ればよいのだろう」と迷うことがあります。
求人票や募集ページには大まかな条件が書かれていますが、実際に自分へ適用される条件を確認する書類が「労働条件通知書」です。会社によっては、雇用契約書と一体になっていることもあります。
入社してから「思っていた条件と違った」とならないよう、受け取る時期と確認したい項目を整理します。
労働条件通知書はいつもらう?
法律上、会社は労働契約を結ぶ際に、賃金や労働時間などの労働条件を明示する必要があります。
ただし、内定が出た日と労働契約が成立する時期は、会社や採用手続きによって異なります。そのため、「内定が出たら必ず何日以内にもらえる」と一律には言えません。
大切なのは、入社を最終的に決める前に、自分へ適用される条件を確認できる状態にすることです。
求人票や内定通知だけで詳しい条件が分からない場合は、次のように確認して問題ありません。
入社後の認識違いを防ぐため、私に適用される労働条件を書面で確認させていただけますでしょうか。
質問することは、会社を疑う行為ではありません。双方の認識を揃えるための確認です。
求人票や内定通知書とは何が違う?
求人票は、募集時点で広く求職者へ示す条件です。一方、労働条件通知書には、採用される本人へ適用される条件が記載されます。
内定通知書は、採用の意思を伝えることが中心の書類です。給与や勤務時間などがすべて書かれているとは限りません。
書類の名称だけで判断せず、必要な条件が具体的に記載されているかを確認しましょう。
入社前に確認したい8項目
1.雇用期間
まず、「期間の定めなし」か「期間の定めあり」かを確認します。
有期契約の場合は、契約の開始日と終了日だけでなく、次の点も確認します。
- 契約更新の有無
- 更新するかどうかの判断基準
- 更新回数や通算契約期間の上限
「更新する場合がある」とだけ書かれていて、判断基準が分からない場合は、勤務成績や会社の経営状況など、何をもとに判断するのか確認しておくと安心です。
2.仕事内容と勤務地
入社直後の仕事内容と勤務地を確認します。
2024年4月からは、雇い入れ直後の内容だけでなく、将来変更される可能性がある範囲の明示も必要になりました。
「会社の定める業務」「会社の定める場所」と書かれている場合は、想定される職種変更や転勤の範囲を聞いても構いません。
3.勤務時間・休憩・休日
次の内容が具体的に分かるか確認します。
- 始業時刻と終業時刻
- 休憩時間
- 休日
- 時間外労働の有無
- シフト制や変形労働時間制の適用
「週休2日制」は、毎週必ず2日休める「完全週休2日制」とは意味が異なる場合があります。年間休日数や休日の決まり方も確認しましょう。
4.基本給・手当・固定残業代
月給の総額だけでなく、内訳を見ることが重要です。
- 基本給
- 通勤手当や住宅手当など
- 固定残業代
- 固定残業代に含まれる時間数
- 含まれる時間を超えた場合の追加支給
固定残業代がある場合は、「月給25万円」といった総額だけで判断せず、基本給と固定残業代が分かれているか確認します。
ハローワークの求人入力ルールでも、固定残業代を採用する場合は、その金額や超過分を追加支給することなどを明記するよう求めています。
5.給与の締日・支払日
給与がいつ計算され、いつ振り込まれるかを確認します。
たとえば「毎月末締め、翌月25日払い」の会社へ4月1日に入社した場合、最初の給与日は5月25日になる可能性があります。
初任給が満額なのか日割りなのかも、生活費を準備するうえで大切です。
6.退職・解雇に関する事項
退職を申し出る期限や、解雇を含む退職に関する規定を確認します。
詳しい内容が就業規則に記載されている場合は、どこで就業規則を確認できるのか聞いておきましょう。
7.試用期間
試用期間がある場合は、期間の長さに加えて、その間だけ条件が変わるか確認します。
特に確認したいのは次の点です。
- 試用期間中の給与
- 手当の有無
- 勤務時間
- 社会保険の加入時期
- 本採用へ移る際の条件
「試用期間あり」とだけ書かれている場合は、期間中に異なる条件がないか書面で確認しましょう。
8.社会保険
健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険について確認します。
加入条件は勤務時間や雇用形態などによって異なります。自分がどの保険へ、いつから加入する予定なのか確認しておくと、最初の給与明細も理解しやすくなります。
書いていない項目や分からない表現があったら?
書類に見当たらない項目があっても、その場で「違法な会社だ」と判断する必要はありません。別紙や就業規則に記載されている可能性もあります。
まずは、次の順番で確認します。
- 労働条件通知書と雇用契約書を見直す
- 別紙や就業規則への案内がないか確認する
- 分からない項目をまとめて会社へ質問する
- 可能であればメールや書面で回答を残す
会社へ質問するときは、感情的な表現を避け、「入社後の認識違いを防ぎたい」と伝えると自然です。
会社への確認文例
お世話になっております。
入社後の認識違いを防ぐため、労働条件について以下をご確認させてください。
・基本給と各手当の内訳
・固定残業代がある場合の対象時間数、金額、超過分の扱い
・入社直後の勤務地と、将来変更される可能性がある範囲
・給与の締日、支払日、初回給与が日割りになるか
お手数ですが、書面またはメールでご回答いただけますでしょうか。
よろしくお願いいたします。
8項目を無料で整理できます
手元に労働条件通知書や雇用契約書がある場合は、「労働条件通知書チェック」を使うと、8項目を順番に確認できます。
書類のアップロードは必要ありません。回答内容も保存・送信されません。
分からなかった項目だけを抜き出し、会社へ送る確認文も作成できます。
まとめ
労働条件通知書は、給与だけを見る書類ではありません。
仕事内容、勤務地、休日、雇用期間、固定残業代、試用期間など、入社後の働き方を左右する情報が含まれています。
内容が分からないまま署名や同意を急ぐ必要はありません。気になる点を整理し、納得できる状態で新生活を始めましょう。
※この記事は一般的な制度を分かりやすく整理したもので、個別の労働契約が適法かどうかを判断するものではありません。不安が残る場合は、都道府県労働局、労働基準監督署、総合労働相談コーナーなどへご相談ください。